毛髪再生療法とは

毛髪再生療法(脱毛治療)とは、男性型脱毛症(AGA)や女性型脱毛症(FAGA)、びまん性脱毛症などに対し、毛包機能や頭皮環境に着目し、再生医療の考え方を応用して毛髪が育ちやすい環境づくりを目指す再生医療です。
毛髪の成長は、毛母細胞の活性、頭皮の血流状態、炎症の有無や程度など、複数の要因が複雑に関与しています。これらのバランスが崩れることで、ヘアサイクル(毛周期)が乱れ、成長期の短縮や毛髪の細毛化が生じ、結果として脱毛が目立つようになると考えられています。
毛髪再生治療では、細胞が本来持つ炎症調整機能や組織修復をサポートする働きに着目し、頭皮・毛包環境を整えることで、毛髪が成長しやすい状態へ導くことを目的としている点が特徴です。
治療内容や適応は、頭皮状態や脱毛の進行度などを踏まえ、医師が診察のうえ判断します。
脱毛症の根本的な原因
脱毛症の発症には、睡眠不足、強いストレス、偏った食生活などの生活習慣や、加齢そのものも脱毛に関与するとされています。しかし、これら様々な要因が最終的に以下の2つの原因を引き起こし、結果脱毛症に至ると言われています。
原因1 ホルモンの影響
男性の脱毛症で最も多い原因が、男性ホルモンの影響で、ヘアサイクルの成長期が短縮し、徐々に細く短い毛へと軟毛化が進行します。
具体的に男性ホルモンであるテストステロンが5α還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、毛包がDHTの影響を受け軟毛化しAGAになります。※1。
女性の場合は、加齢に伴う様々なホルモンのバランスの乱れが、脱毛の一因となることがあります※2。
原因2 毛包周辺の微小な炎症と血流低下

一見健康そうに見える頭皮であっても顕微鏡で薄毛の毛包周辺を確認すると微小な炎症が慢性的に起こっていることがわかっています。これにより毛包周りが線維化で固くなり、結果血流が悪化します※3。
脱毛が進行している頭皮と健康な頭皮を比較すると血流量は40%しかないという報告があり※4、この血流低下が続くと、毛髪に十分な栄養が届きにくくなり、毛髪の成長が妨げられると考えられています。
従来の脱毛治療と毛髪再生療法の違い
薬物療法は、あくまで脱毛指令をブロックする「守り」の治療であり、細胞の機能そのものを修復・再生させる働きとは異なります。一方、毛髪再生療法は休止期や成長力が低下した毛包に直接働きかけ、細胞レベルで活性化を促す「攻め」のアプローチです。
両者は対立する治療ではなく、目的や作用点が異なる治療といえます。また、医師の診断によっては薬物治療との組み合わせを行うことで、相乗効果により更に効果を発揮できると考えられています。
項目 | 従来の脱毛治療(主に薬物療法) | 毛髪再生療法 |
|---|---|---|
主な対象 | 主にAGA | 男女問わず、脱毛症全般 |
主な目的 | 脱毛の進行抑制 | 毛包・頭皮環境の改善 |
即効性 | 比較的早期に変化を感じる場合あり | 徐々に変化を目指す |
適用条件 | 性別・体質に制限あり(一部女性可)毛包がある方 | 毛包がある方 |
東京リライフクリニックの毛髪再生療法とは
東京リライフクリニックでは様々な毛髪再生治療を採用しております。医師との診察を通して、自身の状況と要望にあった毛髪再生治療を活用し、毛包や頭皮環境を整えることで、毛髪が育ちやすい状態を目指します。
項目 | PRP | 幹細胞上清液 | 幹細胞局所注入 |
|---|---|---|---|
主な作用 | VEGFやPDGFなど創傷治癒の機能を使って組織の活性化 | 幹細胞の多様な分泌物(成長因子やサイトカイン)などのが抗炎症作用と組織を修復サポート | 幹細胞そのものの投与により、より長期的に抗炎症と組織修復をサポート |
事前準備 | 採血後、遠心分離機による分離が必要 | そのまま注入が可能 | 脂肪採取、培養が必要のため、初回来院時の注入は不可。上清液などの代替案は可 |
適応の目安 | 軽度、初期 | 軽度〜中等度 | 軽度〜、細胞レベルの修復により持続型 |
女性への適用 | 可能 | 可能 | 可能 |
※すべての方に同様の変化が見られるわけではありません。効果には個人差があり、改善を保証するものではありません。
■ PRP治療
PRP治療とAGA、FAGAの改善に対しては多くの論文が発表されております※5。PRP治療は、患者さまご自身の血液を採取し、遠心分離によって血小板を多く含む血漿を抽出し、頭皮に注入する治療です。血小板に多量に含まれるPDGF、VEGFなど成長因子の働きにより、毛包周囲の血流や頭皮環境の改善を通して毛髪再生を目指します。
PRP治療の詳細ページ
■ 幹細胞上清液
幹細胞上清液療法は、幹細胞を培養する過程で分泌される成分(成長因子・サイトカインなど)を用い、抗炎症作用や組織や血管の修復サポート、血流の改善を通して頭皮環境の調整し、毛髪再生を目的とする治療です。PRP以上に幹細胞上清液には豊富な成長因子(VEGF, HGF, PDGF, KGFなど)が含まれており、休止期の毛根を刺激し、血管を増やし毛母細胞の分裂を促進すると示唆されています。※6。
ただし幹細胞そのものは投与しているわけではないので、効果は幹細胞本体の投与より限定的と考えられています。
幹細胞上清液療法の詳細ページ
■ 幹細胞注入療法
幹細胞注入療法は、自身の幹細胞そのものを用いて、頭皮へ注入する治療です。
上清液に含まれる成分も幹細胞が分泌したものではありますが、投与された幹細胞が継続的に成長因子やサイトカインなどを分泌し、これらの分泌因子が周囲の細胞に働きかけることで、炎症調整や組織、血管の修復サポート、血流の改善する毛髪再生治療です。より包括的な毛包環境への改善するという報告があります※7。
【再生医療等に関する重要事項】
当院は再生医療等安全性確保法に基づき、以下の届出を行っています:
・PB3240294:自己脂肪由来幹細胞を用いた毛髪組織に関する再生医療
幹細胞脂肪治療の詳細ページ
各治療法の治療間隔の目安
毛髪再生治療は、1回で完結する治療ではなく、状態を見ながら複数回行うことが一般的です。治療間隔や回数は医師が診察のうえ判断します。
治療法 | 治療間隔の目安 | 補足 |
|---|---|---|
PRP療法 | 1〜3か月に1回 | 反応が早いため、初期は複数回行うことが多い |
幹細胞上清液療法 | 1〜3か月に1回 | 状態により間隔調整 |
幹細胞注入療法 | 数か月に1回 | 影響範囲が広く長いため、医師の判断で慎重に実施されます。 |
※治療間隔・回数は、脱毛の進行度や頭皮状態により異なります。
内服薬による脱毛抑制
東京リライフクリニックでは脱毛を抑える効果があるとされるデュタステリドやフィナステリドも処方しています。
項目 | デュタステリド | フィナステリド |
|---|---|---|
血中DHT抑制率 | 約90%以上 | 約70% |
阻害酵素 | 5α還元酵素I型・II型 | 5α還元酵素II型のみ |
効果比較 | 一部の臨床試験でフィナステリドより高い毛髪数増加が報告されている※8 | AGA治療の標準薬 |
持続性 | 約3-5週間 | 約6ー8時間 |
主な副作用 | 男性機能の減衰 | 男性機能の減衰 |
女性への適用 | 不可 | 不可 |
治療の流れ

1.カウンセリング・診察
脱毛の状態や既往歴、生活習慣などを確認し、医師が頭皮・毛髪の状態を診察します。
治療の適応や選択肢について説明します。
2.治療方針の決定
診察結果をもとに、PRP/幹細胞上清液/幹細胞注入療法の中から、状態に応じた治療法を検討します。
※単独または組み合わせて行う場合があります。

3.治療の実施
選択した治療法に応じて、頭皮への注入治療を行います。治療時間は内容により異なりますが、幹細胞治療以外は日帰りでの実施が可能です。
幹細胞治療に関しては、自身の脂肪を採取し培養した後に治療となりますので、初回は脂肪採取オペのみとなります。そのため初回だけ他の治療を活用することも可能です。

4.治療後の経過観察
治療後の頭皮状態を確認し、必要に応じて治療間隔を調整します。
経過に応じて、次回治療や併用治療を検討します。

5.継続治療・フォローアップ
毛髪再生療法は、状態を見ながら継続的に行う治療です。定期的な診察を行い、長期的な毛髪環境の維持を目指します。
毛髪再生治療の注意事項
東京リライフクリニックの毛髪再生治療法はPRP、幹細胞上清液、幹細胞療法があり、ご希望される治療方法により注意事項や禁忌事項が異なります。
詳しくはそれぞれの施術ページよりご確認いただければ幸いです。
➤ PRPの注意事項
➤ 幹細胞上清液の注意事項
➤ 幹細胞療法の注意事項
料金
幹細胞培養上清液治療
PRP(Platelet-Rich Plasma)
脂肪由来幹細胞療法
よくある質問(FAQ)
Q:いつ頃から「手応え」を感じられますか?
A:治療内容や状態により異なりますが、PRP、上清液、幹細胞治療のどれでも3ヶ月程度から変化を感じるという報告があります。※6,7,9。
※即時的な変化を保証するものではありません。
Q:1回の治療で十分ですか?
A:毛髪再生療法は、1回で完結する治療ではありません。状態に応じて複数回の治療を推奨しています。ただし、研究では幹細胞は1回でも3ヶ月後から改善が見られ※9、PRP、上清液も3~6回の投与で改善が見られたと言う報告があります※6, 7
Q:毛髪再生治療だけで脱毛や薄毛は止められる?
A:残念ながら先に説明した原因1と2は影響し合うこともありますが、ほぼ別物です。そのため、再生医療による頭皮の環境改善を行うと同時に内服薬による脱毛抑制も大事と考えられています。
一方で、当院では更年期障害を目的とした幹細胞点滴治療の認可を取得しており(受理番号:PB3240267)、頭皮と同時に点滴も受けることにより、相乗効果が見込めると考えられています。
詳しくは医師の診察を通して、適用の可否を確認できます。
Q:効果が現れた後、どのくらい継続しますか?
A:薬と違い強制的に血流を促しているわけではなく、頭皮の環境を改善して発毛を促しているため、個人の体調や生活習慣にもかなり左右されるものの、数カ月から1年程度の改善は見られるという報告があります。※6,7,9
Q:痛みはありますか?
A:注入時に痛みや違和感を感じる場合がありますが、麻酔を使うことにより、極力緩和する対策を取っています。
Q:ダウンタイムはありますか?
A:多くの場合、大きなダウンタイムはありません。入部位に赤みや腫れが出ることがありますが、数日で落ち着くことが一般的です。
Q:男性・女性どちらも受けられますか?
A:はい。男性型脱毛症(AGA)および女性の脱毛症のいずれも、状態に応じて治療を検討します。
Q:薬による脱毛治療と併用できますか?
A:はい、併用可能な場合が多いです。詳細は診察を通して医師が判断します。
Q:副作用やリスクはありますか?
A:主に注射に伴う一時的な反応(赤み・腫れ・内出血)や一時的な痒み発疹が見られますが、重篤な副作用は極めて稀です。
当院では、厳格なウイルス検査・細菌検査をクリアした製剤のみを使用し、感染症リスクを最小限に抑えています。また、万が一のアレルギー反応にも医師が迅速に対応できる体制を整えておりますので、ご安心ください。
Q:誰でも効果が期待できますか?
A:効果には個人差があります。脱毛の原因や進行度によって、適応や期待される変化は異なります。また毛包がすでにない方は改善が期待できないです。
脚注
※1: Kaufman KD. Expert Opin Investig Drugs. 2002;11(12).
※2: Fabbrocini G, et al. Int J Womens Dermatol. 2018;4(4).
※3: Mahé YF, et al. Int J Dermatol. 2000;39(8).
※4: Klemp P, et al. J Invest Dermatol. 1989;92(5).
※5: Gupta AK, et al. J Cosmet Dermatol. 2019;18(6).
※6: Fukuoka H, et al. J Cutan Aesthet Surg. 2017;10(1).
※7: Elmaadawi IH, et al. J Cosmet Dermatol. 2018;17(3).
※8: Olsen EA, et al. J Am Acad Dermatol. 2006;55(6).
※9: Gkini MA, et al. Dermatol Surg. 2014;40(12).

監修医師:武田 啓
北里大学名誉教授であり、日本臨床毛髪学会の理事も務めた毛髪医療のスペシャリスト。
TEAMS(医師・培養士紹介)



